単勝erの3連複および馬連の組み合わせの判断基準

単勝馬券を考える際に、馬連や3連複、その両方との組み合わせを考える人は多いだろう。
はたまた、単勝馬連単勝か3連複など馬券の取捨に悩む人も多いだろう。
自分もその一人である。

 

私の単勝遍歴

私は単勝中心の馬券を好む。
そして数々のおいしい馬券を的中させ、回収率を上げてきた。

2023年 高松宮記念 ファストフォース 32.3倍
2023年 チューリップ賞 モズメイメイ 16.2倍
2023年 阪神カップ ウインマーベル 9.6倍
2022年 フォーチュンC ブルーロワイヤル 28.2倍
2022年 有馬記念 イクイノックス 2.3倍
(イクイノックス最後の2倍台、今思えばおいしすぎたでしょw)

 

その反面、
「なんで本命やのに単勝で買わなかったんや」というレースも枚挙にいとまがない。

2023年 札幌2歳S セットアップ 6.8倍
2023年 札幌記念 プログノーシス 5.1倍
2022年 菊花賞 アスクビクターモア 4.1倍
2022年 3歳以上1勝クラス カトゥルスフェリス 18.9倍
そして...2022年 天皇賞秋 イクイノックス 2.6倍(笑)

単勝を買うルール

そこで私は2023年10月ごろから、
本命が単勝5倍以上なら必ず単勝(を含めた馬券)を買う」というルールを設定した。
このルール設定の理由は、自分の予想能力と過去の経験を考えた結果、
5回単勝を買えば1回は的中できるだろうと考えたからである。

その結果、例えば最近で言うと、阪神カップのウインマーベルを的中することができた。

しかしこのルールをあざ笑うかのようなレースに出会う。

それは2023年1月14日開催の日経新春杯
以下着順と払い戻し(source: netkeiba




私は本レース、1着ブローザホーンを絶対的な本命に据えていた。
前走京都大賞典は心房細動により競争中止したものの、
前々走札幌日経OP、3走前函館記念の内容、
さらに内枠5番や当日のトラックバイアス、
中団からの速い上りを出す脚質が求められる京都2400mなら
この馬以外ありえなかった。とまで思っていた。
(こんなデータ整理と解釈をおこない、友人にもLINEで共有していた。)



しかし、1300円投資するも、上記のルールのせいで単勝買えず。(ブローザホーンの単勝オッズは4.1倍)

結局オッズとも相談しながら、
サヴォーナとサトノグランツを切り、ハーツコンチェルトとハーツイストワールを対抗に添えるという愚行
(オッズと相談しながら2番人気のハーツコンチェルト買ってるやんけというツッコミはやめて>_<)

しかし、今回の問題はサヴォーナとサトノグランツを切ったことではないと考えている。
今回の問題は強く本命だと考えていたブローザホーンを単勝で確実に仕留められなかったこと。

実際、3連複はわずか3,040円しかついておらず、投資額1300円の私には嬉しくない配当

実際このレースの3連複の合成オッズと単勝オッズを考慮し、
3連複のみ購入と単勝のみ購入のそれぞれの場合を比較しよう。

3連複を7点以内、つまり700円の投資で当てれば、
単勝を700円で買った場合よりうれしい配当となる。
※合成オッズ計算式(3040円は本レースの3連複の払戻)
3連複払戻 3040円/7点 = 434円 >>単勝払戻 410円


しかし8点以上、つまり800円以上の投資で3連複を当てた場合は、
単勝を買った方が嬉しくなる。

3連複払戻 3040円/8点 = 380円 << 単勝払戻 410円

3連複7点以内となると、よく好まれる馬券は
3連複1頭軸流し4頭だろう。

みんなが好む3連複 1頭-4頭-4頭
の定番馬券

しかし、本レース、おれは何回予想しても、
3連複にサヴォーナとサトノグランツ両方を相手4頭に含めることはできないだろう。
(もちろん1頭軸にはブローザホーンを入れるが)

理由は
①私が穴党であること。
➁私が過去10年データから内枠有利であると判断していたこと。

繰り返しになるが、今回の問題はサヴォーナとサトノグランツを切ったことではない。

新たに設けるべき単勝ルール

ならどんなルールを設けるべきだろうか。

単勝オッズが5.0より低い時は馬連と3連複の両方を買わない

さっきの合成オッズうんぬんの話からすると、
単勝オッズが低い場合、買い目を広げて当てたところであまりおいしくない。

穴馬ほど相手を広げて、固い馬ほど狭く買うというのは鉄則である。ソースはない

なので、資金が1300円なのであれば、
単勝1000円&3連複3点とか?

この場合、今回の俺の印だと、
単勝1000円 ブローザホーン →的中 4100円
3連複2頭軸3点 ブローザ-ハーツコンチェ-ハーツイスト&リビアングラス&ヒンドゥタイムズ→ハズレ(相手3頭くっそ下手くそ予想)

だったでしょう。

それでも

4100円/1300円= 3.15

のため、回収率315%
本レースを的中するという意味ではまずまずの数字だろう。


ただしこの回収の仕方は明らかに持続的ではない。
長期的には俺が3回に1回馬券を的中させないといけない回収率だからだ。

しかし、
1000円単勝を3,4回に1度当てて、
300円の3連複が8,9回に1度当たることを願えば
持続性はあるだろう。

 

ここに馬連も絡むと最悪。
どんどん単勝に費やせる金額が少なくなってジリ貧。
例えば馬連3頭ボックスを購入するとしよう。

そうなれば、
単勝700円
3連複300円
馬連box300円(100円×3点)
となり、回収金額は700円×4.1=2870円
回収率は2870円/1300円=2.21... 221%まで縮小する。


明らかに持続性の無い回収率、苦しい......

オッズが低い場合、単勝と組み合わせる馬券は、馬連か3連複のどちらかにしなければならない。

➁3連複軸2頭目に自信があるか

これは難しいが冷静に考えるべき。
3連複3点買うとしたら、2頭軸3点が現実的:1頭-1頭-3頭

今回の私で言うと、
「ハーツコンチェルトにどのくらい自信があるの?」
という質問を自分に問いかけないといけない。

言い換えれば、
「ブローザホーンとハーツコンチェルトのワイドを当てる自信はあるの?」
という質問だ。

2頭の軸が馬券に入ったら、残るは相手3頭で期待値を追うゲームなので、
正直外れても仕方がない。

なので繰り返すが、
「ブローザホーンとハーツコンチェルトのワイドを当てる自信はあるの?」
を自分に問いかけたい。

今回で言うと正直ハーツコンチェルトはかなり自信があったのでこれは仕方がない。
一応4着だし...55キロなら来てほしかったが...

相手の軸に自信がないのなら本命信じて単勝ぶっぱ

これを心に刻もうや!

 

馬連の相手に自信はあるか

そもそも2番手に選んだハーツコンチェルトにどの程度期待値があったのかを振り返る。
今回はかなり自信があったため購入したが、
かたや、2番人気単勝オッズ4.3倍とやや過剰人気。

オッズを追うのもよいが、確実性も追いかけるべきである。
浮いた1,2番人気で、ハーツコンチェとブローザの馬連15倍とおいしいと判断したため購入したが、
そもそもおれのスタイル上、基本的には1,2番人気の馬連買ってはいけない

期待値 VS 網羅性(買い目の広さ) VS 確実性(着順の予想)
どちらを優先するのかという問題と戦い続けなければならない。

本命◎は、いつでも自信があるから馬券を購入するわけであるが、
2番手〇は予想毎に自信が変わるだろう。

機械的に自分の予想を考えるのではなく、
2番手と3番手の順位付けがどの程度離れているのか、
本命◎と2番手〇の間にどの程度自信と期待値の差があるのか、
この辺を考えていかないと一生正しい馬券の選択は出来ない。

確実に予想は上手くなってきている。
だからこそ馬券にもこだわりたい。

読んでくれてありがとうございます。
今後はもうすこし数学的な考察も踏まえたうえで、
競馬について考える記事も書きたいと考えています。


追記:馬単のかほり

このブログをここまで書き終えていつ投稿しようと思っていたところ大事件が起こる。
1/28(日)シルクロードステークス
予想に3週間費やし、ほぼ完ぺきに予想しきったに思えた。

私の予想は
◎ルガル
〇トゥラヴェスーラ
▲アグリ
☆ショウナンハクラク
だった。

このレースでルガルがアグリより明確に強いであろうことも予想しきっていた。




購入した馬券は以下の通り


そしてレース結果は以下の通り



期待値を追うあまりルガルの単勝3.3倍をまたも買えず、
トゥラヴェスーラと2頭軸のような買い方をする。

今回馬券選びで最も難しかったのが、アグリも馬券内はかなり固いと踏んでいたこと。
ルガルとアグリの馬連は5.9倍ととてもじゃないが抑えられなかった。
さらに3連複を抑える場合も、アグリが入るとかなり厳しいオッズに。
結果論だが、3着がルメールの3番人気のエターナルだった

ではこのような馬券の場合どうすればいいのか

いや単勝買えよ

というのはそうなのだが、


ルガルに自信があるのならば

馬単買えよ
これ今回気付きました。
➀ルガル>>>アグリだと踏んでる&➁ルガルも馬券内は固いと思っている
なら馬単買えばよくね?
とても魅力的な馬券に思えてきた。
実際の払い戻しは以下の通り

馬連が5.9倍であるのに対し、馬単は11.2倍
上述の

➀ルガル>>>アグリだと踏んでる&➁ルガルも馬券内は固いと思っている

という条件が整っているのであれば、
馬単は非常に強い馬券だろう。

固いと決まると思うのなら
期待値を理由に馬連を諦めるよりは、
自信をもって馬単というリスクを取る方が期待値高い場合がわんさかある。
なにより馬単はかっこいい

適所でつかいこなせるようになりたい。
迷ったなら馬連などという自由度の高い馬券ではなく
馬単できっちり順番付けしろ、というわけである。

ではばいころまる~

(👇おまけ:私の葛藤の様相)



2人の青木宣親:サイン盗みをめぐる論調やメディアに対する違和感

※本記事は2023年1月28日に別媒体で私が記事にしたものを転載したものです。

 

この記事を書こうとおもった理由は、当時すごいむしゃくしゃしていたからというのもありますが、最近、スポーツファンの間で事実を見て議論するという視点が無くなってきているのではないかと思ったからでもあります。
あとシンプルに時間ができたからw

 

前提条件:著者のスタンス

極力客観的な情報を根拠に、事実と意見を述べるつもりであるが、
主観的記述が爆発する恐れもあるため先に断りを入れておく。

著者の情報

生まれながらに阪神ファンの大学生。
現地観戦には年5回ほど足を運ぶ。
青木宣親、奥川恭伸好き。
山田哲人高津臣吾監督、普通。
東京ヤクルトスワローズ、村上宗隆、中村悠平、塩見泰隆、田口麗斗アンチ。

 

ヤクルトスワローズ青木宣親

どこから話せばよいだろうか。

青木宣親は日本球界史上最高のリードオフマンのひとりである。
2022年シーズン終了時点で通算代率は.317(4000打席以上の打者で現役トップ、歴代5位)
NPB史上7度しか達成されていないシーズン200本安打を2度達成(2005,2010)
通算.opsも.847と高水準、パンチ力と俊足を活かした長打も打てる選手である。
2012年から2017年までMLBに挑戦し6年間で7球団を渡り歩く。
MLB通算打率.285を記録し、海の向こうでも抜群の安定感を見せた。
ヤクルトに復帰した2018年以降も活躍し、2度のセリーグ制覇と1度の日本一に貢献。
2023年には41歳での現役生活に挑む。
私が大好きな元阪神鳥谷敬とは早稲田大学時代にチームメイト。

おれもかなり好きな選手で、2017WBC侍ジャパンで3番を打った際はとても頼もしかった記憶がある。なお打撃成績
円陣での鼓舞もかなりうまい印象があり、リーダーシップもある。

今回のストーリーは、そんな青木も関与したと疑われるアストロズのサイン盗み問題からはじまる。

 

アストロズ青木宣親

青木がアストロズ(Houston Astros)に所属したのは、彼のメジャー最終年である2017年。

アストロズでは71試合に出場し、224打席で、打率.272を記録した。
青木本人はシーズン途中でブルージェイズに移籍したが、爆発的な得点力を武器にアストロズは球団史上初のワールドシリーズ制覇を達成。(第7戦では先発したドジャースダルビッシュ有を敗戦投手に)

アストロズのサイン盗み(青木がサイン盗みに関与したことを断定する内容ではない)

しかし2019年に、The Athleticの取材により、アストロズ2017年シーズンに組織的なサイン盗みをおこなっていたことが発覚する。
手口はいたって単純だが、同時に衝撃的なものであった。

それはバックスクリーン付近のカメラを通じてベンチから相手捕手のサインをリアルタイムで確認し、ベンチ裏からなんとゴミ箱🗑️を叩き、その音で打者に球種を伝えるという方法。
音が鳴った際は、カーブやスライダーなど比較的遅い球種を意味し、音がならなかった場合は諸説あるが、球種がストレート、もしくは単に球種を盗めなかったことを意味すると考えられている1

音で伝えるというなんとも古典的な発想だが、大声援が絶え間なく飛び交うスタジアムと映像技術が可能にしたチーティング方法である。実際の様子は以下の2分間の動画を見てほしい。

その他にもバットケースを叩く音や、手拍子、ホイッスルなどがサイン盗みを意図して使用されたことも疑われている。

2019年のサイン盗み発覚後、ドジャースファンをはじめMLB他球団のファンは、アストロズと対戦する際は球場にゴミ箱のオブジェを持ち込み抗議&煽りをおこなった(下写真)。
至極当たり前である。

青木はサイン盗みに関与したのか

ここで考察したいのは、青木がサイン盗みに関与したのかどうか。
そもそも「青木宣親アストロズ」と聞いてサイン盗みを連想するひとは少ないだろう。

ただしこの考察はこの記事の本題ではない。

くっそおもしろいことに、
2017シーズンのアストロズホームゲームのうち視聴可能な58試合の映像から、
相手投手の計8274投球の内、どれだけの投球からゴミ箱の音(以下、🗑️音)が聞こえてきたかについてのデータを収集した人物がいる。
それもアストロズファンが。
彼の名はTony Adams(Twitter→ https://twitter.com/adams_at)
彼はwebsiteにサイン盗みに関するデータをまとめている<https://signstealingscandal.com/>

データの要約
Graph1

このグラフの横軸は試合日と対戦相手、縦軸は記録された🗑️音(bangs)の回数を表している。
チーム全体では、2017年に確認できた8274投球のうち1143投球で🗑️音がなったとされる。

まずここで注意したいのは、
「ゴミ箱音の(回数)割合=サイン盗みに関与した程度」ではないこと。

上記の通り、🗑️音が鳴る条件は、相手投手がカーブなど遅い球を投げるサインが出されることである。したがって、アストロズの変化球に弱い打者に対しては、相手投手が変化球をたくさん投げるため、おのずとゴミ箱音は多くなるだろうし、ストレートに弱い打者に対しては、相手投手がストレートをたくさん投げるため、その結果、おのずとゴミ箱音の割合は少なくなるだろう。

青木の打席の🗑️

Graph2(青木は7月31日にブルージェイズに移籍している)

アストロズの視聴可能なホームゲームにおける青木に対する投球は261回であった。
261投球の内、16投球で🗑️音が確認できた。261投球の6.1%の割合だった。
Graph1と比較して、棒グラフ上のオレンジ色がかかった部分が、青木の打席の🗑️音である。
つまり、視聴可能な試合のなかで、6試合で青木の打席で🗑️音が観測された。
さらに、🗑️音が観測された16投球のうち、14投球は実際に遅い球種が投球されている。

以上より、青木がサイン盗みに関与していたかはさておき、
少なからず「青木の打席で🗑️音が鳴ったこと」は事実である

以下のリンクから青木の打席でどのように🗑️音が鳴っていたのかを動画で
確認できるので、興味があるひとは自分の耳で聞いて、自分の目で見てほしい。
https://signstealingscandal.com/players/norichika-aoki.html
(一番下の試合が最も参考になるかな~)

 

ここからは私の推測

青木はチームで組織的なサイン盗みが行われていたことを少なくとも認知はしていたのではないかと私は推測している。
実際にベンチでゴミ箱を叩いていた様子を青木本人は最も近くで見て、🗑️音も耳にしていたのではないか。
日本人とはいえ、メジャー6年目の青木は流暢に英語も扱えたようだし、もしサイン盗みに関する話を聞いたら最低でもなんとなくは理解はできるのではないだろうか。

しかし、青木が積極的にサイン盗みに関与していたかどうかに関しては疑ってかかるべきであると感じている。
奇しくもサイン盗みが起こった2017年シーズンからアストロズへと移籍した青木。
青木のアストロズの在籍はわずか9ヶ月である。
チームメイトや首脳陣とのまだ日が浅い関係を考えると、
青木が主導してサインを盗んでいた可能性は著しく低い。
また、Graph1からわかるように、🗑️音が増加し始めたのは2017年6月であり、青木がチームを去る2か月前だ。

青木本人は「組織的なサイン盗み」の存在を認知をしてはいたものの、ベンチで
「相手投手の球種教えてくれ!」
と自らお願いしたことはなかったのではないだろうか。

また、青木本人の「俺はサイン盗みをしたくない」という意志に反して、ベンチから🗑️音が飛んできたことも考えられる。

公平な見方ではないだろうか。

さらに、移籍したばかりのチームで「サイン盗みなど姑息な真似はやめろ」などと声を上げることは難しかろう。そこらへんの草野球チームではなく、アメリカ最大級のエンターテインメントのアクターの闇を自分の手で暴くことなどあなたの立場ならできるだろうか。
これは希望的観測になるが、青木が正義感の強い人間であるのならば、チームに居心地の悪さをも感じていた可能性もあるだろう。

さらに、なんの根拠にもならないデータであるが、2017年の青木の打率に注目したい。
青木の2017年の打率はアストロズでは.272.、7月の移籍後のブルージェイズでは.281、再度移籍後のメッツでは.284を記録した。
つまり、サイン盗みが行われていたアストロズ在籍時と比べて移籍後の方が打率が高い。
まあこれは、移籍前と移籍後のそれぞれの対戦投手の能力とか青木本人の調子とか考慮しないといけない変数が多すぎるのでなんの根拠にもならないが、少なくとも打率からはぱっとみサイン盗みの影響は読み取れない。

以上より、

青木宣親アストロズ時代に組織的にサイン盗みが行われていることを認知してはいたものの、本人から積極的にサイン盗みに関与しようとはしていなかった。

というのが私の推測である。

しかし、

視聴可能なホーム戦58試合の青木の相手投手の216投球のうち🗑️音が16投球で観測された。

というのは事実である。

この事実をどう解釈するのかは、ファンそれぞれだと私は思う。

「結果として🗑️音は青木の打席でも鳴ってたのだから青木宣親はサイン盗みに関与した」という解釈もありだし、
「いやいや頼んでもいないのに🗑️音を鳴らされた青木は被害者だ」という解釈もありだと思う。

ここまではこの記事の前置きかなw

 

アカンすよ事件

 

日本プロ野球ファンにとっては「アカンすよ事件」は説明不要であるだろう。

説明めんどくさいんでどこかの記事から引用しようとしたんですが、阪神敵視したヤクルト寄りの記事が多すぎて困りました。自分で客観的に書いてみます。

2021年シーズン7月6日にその事件は起こる。
神宮球場で行われた阪神ヤクルト戦において
阪神佐藤輝明の打席で2塁ランナーの近本が左手を上げ下げする動作をおこなった。
近本がその動作でバッターの佐藤輝明にコースや球種を伝えているのではないかとサードのヤクルト村上が審判に対し抗議。野球においてランナーが打者に投球に関する情報を伝えることはルール違反。
村上の抗議に阪神ベンチの矢野監督や井上ヘッドが声を荒げて反論、村上は阪神ベンチに向かって歩くそぶりも見せ、矢野監督は「やるわけないやろ。ボケ!」などと罵声で反論した。ヤクルト高津監督も出てきて試合は約4分間中断した。
(自分で文字に書いてても一連のやりとりほんま草生える)
後日、セリーグから阪神に対し注意が入り、矢野監督が選手に対し注意喚起。近本もそれ以降は紛らわしい動作はしなくなった。

ここまでが大まかな事実だろう(追記すべきこと、間違ったことがあれば教えてください!emailブログのプロフィールに載ってます!準備中...twitter

「アカンすよ」、というのは村上が阪神ベンチに向かって叫んだ言葉である。

この事件は、セリーグトップを走る阪神とそれをじわじわおいかけるヤクルトの間で起きた事件であり、膨大なファンとアンチをそれぞれ抱える阪神の試合でおきたことや、のちの最年少三冠王村上が直接関与したことも相まって、2チームのみならず、プロ野球ファン全体から注目を集めた。

ファンの反応としては、普段からファンが暴れまわっており何かとアンチが多い阪神に対する批判は大きく、サイン盗みは行われていたと断定するかのような意見がとても多く感じられた。ヤクルト村上に対しては、罵声を発したうちの矢野監督に向かっていったこともあり、称賛の嵐だった。

阪神ファンの私としては、疑われるような動きをした近本は悪いと思う。さらに村上の抗議自体も正当なものであると思う阪神ベンチに向かっていったのは阪神ファンとしてはもちろん腹立つ)。
もちろんサイン盗みをやっていた可能性はもちろん100%否定することはできないが、選手はそんなことをやらないと信じたいし、さすがにサイン盗みはやっていなかったのではないかと感じている。なによりも技術が発達していくらでもリプレイが見れる時代であんなバレッバレのやり方でサイン盗みするだろうかw
(希望的観測でしかないことも承知している)

一連のやり取りは以下の動画で見れる。近本が実際に手を動かしているシーンは動画の2:47あたりから。本当にサイン盗みを意図した動作であるのなら、さすがにバレバレ過ぎません?w

 

ヤクカスよ…大きく出たな…

(ヤクカス=一部の害悪&陰湿ヤクルトファン)
阪神タイガースはそのシーズン、歴史的なV逸
わずか1ゲーム差でヤクルトに優勝をかっさらわれ、球団、選手、ファンともに屈辱的な思いをした。
当たり前であるが、ヤクルトファンは阪神ファンを煽りに煽った。大体煽りの軸は2つで、V逸とサイン盗み。V逸はれっきとした事実であり立場が逆になればこちらも同じ態度を取るだろう。

しかし、ヤクルトファンはいつまでも執拗にサイン盗みを煽り続けた。アカンすよ事件以降、アカンすよ事件の打者・佐藤輝明及び阪神タイガース全体の得点圏打率が低下したデータなどを根拠に、煽るファンもいた。(上述の青木の打率推移で述べた通りいろんな変数が絡みまくるため、このデータはサイン盗みを証明するための根拠にならない)第一、阪神タイガースが夏頃から調子を落とすというのは風物詩であり新規ファン以外はだれもが知っている事実であろう。

そこで2つの違和感
違和感➀:ヤクルトファンは阪神のサイン盗みを攻撃してるけど、あなたたちがレジェンド扱いしている青木もかなりグレーゾーン。
違和感➁:なぜ煽られた阪神ファンは青木のサイン盗み疑惑を武器にカウンターしないのか。

違和感➁についてはあとに触れる。

違和感➀について私はここではっきりと投げかける。

組織的なサイン盗みをおこなった球団に当時所属していた選手と
サイン盗みを疑われるも証拠不十分であり注意喚起で終了した選手、
どちらがサイン盗みに関与した確率が高いだろうか。

さらにセリーグ側も、「動作気になるもサイン盗みまであったとは思っていない」と発言している3

繰り返し述べるが、この2人の選手について私は事実しか述べていない。

明確な根拠のないサイン盗みの指摘や煽りを続けるファンが必死に応援するチームに、
組織的なサイン盗みをおこなった球団に当時所属していた選手が現在所属している

これってどうなんですかね。

「サイン盗みをする阪神NPBから出ていけ」「サ盗輝明」「サイン盗みなんて最低!」

そして極めつけは「サイン盗みは疑われる側が悪い」

ヤクルトファンのみなさま、そんなに大きく出て大丈夫ですか?

 

推測:ヤクルトがメディアに対し報道規制をおこなっているのではないか

上述した違和感➁について。
なぜ煽られた際に青木のサイン盗み“疑惑”を使って阪神ファンは反論しないのか。

結論からいくと、阪神ファンも青木のサイン盗み疑惑をほとんど知らなかったのだろう。
仮にこの疑惑を知っているのなら、凶暴な阪神ファンが反論に使用しない理由はない。

ここからがおもしろいところで球界の闇。
普段はプライバシーフル無視でチーム及び選手からたくさんのネタを掘りまくる大手スポーツ誌はなぜそろいもそろってこの疑惑に関して青木に取材しないのだろうか?
青木からどのような回答が返ってきたとしてもおもしろい記事になるに決まっている。
しかし、Googleで「青木宣親 サイン盗み」2 と検索しても、サイン盗みに関して本人及びヤクルトに対して取材した記事はヒットしない。

まあその理由は単純かも。
おそらく球団側から報道陣に対し現在進行形で圧力がかかっているのだろう。

青木宣親のサイン盗みに関する取材をした報道機関には今後一切記者会見やキャンプへの取材権を与えない」

とは書かないであろうが、

青木宣親MLB時代の2017年に関する取材をした報道機関には取材の制限を行う可能性がある」

みたいな書き方かもしれないね。

実際球界に、このような事例は存在する。
記憶に新しいのは2022年シーズン末に、球団の定めた期限より早く阪神の次期監督を報道したデイリーが事実上の出禁を食らった疑惑。
当初からネットを中心にファンの間で疑惑があがっていたが、週刊文春にひっぱぬかれて現実味を増すものとなった。
以下引用

「〈報道協力のお願い〉と題した通達で、優勝の可能性が完全消滅した後も、クライマックスシリーズ進出の可能性がある限りは、監督・コーチ人事に関する報道は自粛するように、との内容でした。また以前からそうだったのですが、藤原崇起球団オーナーや球団幹部への直接取材も、引き続き禁止するとのことでした。矢野燿大監督の退任が決まっている阪神は、優勝を逃した瞬間から後任監督の問題が連日報じられるのは確実。それに先んじて釘を刺したのです」(運動部記者)


らしい。続けて、

〈球団からの協力依頼に応じていただけない場合は、以降無期限で一切の球団からの報道協力を行いません〉として、具体例が3つ記されていた。

 

〈(1)球団からの情報配信停止(プレスリリース・幹事連絡等) (2)チーム関係の取材不可(代表囲み取材、会見等への参加不可) (3)インタビュー・イベント等の協力見合わせ〉


まあこのような形で、阪神は報道陣に圧をかけていたらしい。
それでも突っ込んだデイリーはおもろすぎる

同様にヤクルトスワローズ側も、青木の取材に対してなにかしら脅しをかけているのではないかなぁと。

かたやそこらへんの若手ではなく、ヤクルト及び日本球界のリビングレジェンドである青木に汚名をつけたくないだろう。

ヤクルトの『クリーン』なイメージが消え去ることも懸念されたのだろうか。

ペナルティを課す形で報道に制限をかける方法を私は好まない。
阪神の場合は公式リリースが出ていない上に、クライマックスシリーズ開始前であり、まだ理解はできる。ここから『矢野先生の最後の授業』に突入するというときに、次期監督発表というのはTPOに反しているとも受け取れる。

しかし、ヤクルトの場合は報道そのものの役割を封殺していると私は考える。
それは『追及』と『批判』
もういちいち説明しないが、コアなファンや、MLBも応援しているファンにとっては、このテーマは報道陣には聞いてほしいところだろう。

青木がこの件を墓場までもっていくということもありえると思う。
もちろん、私はそれを望まない。

青木本人は当時組織的なサイン盗みが行われていたチームに所属した葛藤を自伝などで語ってほしい。16度の🗑️音についてもできればほしい。

報道陣は青木の引退後ならインタビューできるのではないだろうか。
ヤクルトの影響力が弱まった段階でぜひ取材してほしい。
私は事実がどうこうよりも、青木がどのような回答をするのかが一番気になるw

事実と感想・予想

この章で締めくくりたいとおもう。

本記事はサイン盗み(と青木宣親)をめぐるオーディエンスの反応に関して書いてきた。
もう一歩踏み込むとするなら、あまりにも事実と感想・予想を分けて考えることができないファンが多いのではと思う、私含めて。

 

例えば、話題になった矢野監督の激昂「やるわけないやろ。ボケ!」ひとつみても、2種類の解釈ができる。

➀あれだけ怒るということは絶対にサイン盗みなどやっていないという表れだ。
(これはデーブ大久保氏も自身のYoutubeで言及していた。)

➁あれだけ怒るということは村上の指摘が図星であったという表れだ。

 

阪神ファンの私がフラットに見ても、2種類の解釈ができるとおもう。

だから、もっと事実ベースで議論できないだろうかと思う。

その他にも例を挙げると、サッカーのイングランドプレミアリーグにおいて、直近5年で最も支出が多いのはManchester Unitedである4にもかかわらず、Manchester Unitedのサポーターは常に脳死でお隣のManchester Cityを金満だの無駄遣いだの煽りまくっている、それでUnitedは無冠。あまりに滑稽ではないか。

事実を直視せず脳死で煽っていると、気づいたら自らの贔屓チームを批判してしまう可能性もある。

本記事の アストロズ青木宣親 の章の最後の部分を見ていただいても、青木の打席で🗑️音が鳴ったという事実に対しいろいろな解釈ができる部分がわかる。

私は何か事件が起こったときに、事実に対して議論を重ねて多くの解釈を導き出すことが醍醐味だと思う。
特に情報が制限されているファン、サポーターはそれで十分楽しめる。

ただし憶測でモノを言った場合、憶測で相手を攻撃した場合、自ら墓穴を掘る可能性もあるだろう。

以上。
サムネは全然関係ない昨シーズンの交流戦でのマー君のピッチング
いちおう参考文献つけれるとこはつけた。
青木の打率などはNPBのサイトとかから引用しています。
グラフの画像は私が作成したものではなく、サイト運営者のTony Adams氏がwebsiteで公開しているものです。ありがとうございます。
彼のように、おれもいつか明快でユーモアに富んだデータベースを作成したい。

最後に繰り返しになるが、本記事は青木宣親がサイン盗みに関与したことを断定してる記事ではないし、断定するような書き方はしていない(と思う)。

ご意見、ご叱責はtwitterかプロフィールに記載されたメールまでお願いします。
ばいころまる~。

 

※2023/1/30追記
矢野先生が阪神OBの川藤幸三さんと横田慎太郎さんとYoutubeで当時のアカンすよ事件について語られていました。
(いいタイミングw)

ヤクルト戦のサイン盗みの件について、4年間で一番くやしい出来事といっていました。
V逸ちゃうんかいとも思いましたが、ファンと同じ気持ちを共有してくれているのはうれしいです。